おすすめの本


T 災害とは自然現象や人為的な原因によって、人命や社会生活に被害が生じる事態を指すものだそうです。その要因もいろいろあるようで、今回は災害にまつわる本を取り上げてみました。

1.小松左京著「日本沈没」地震の観測データと海底調査から、日本列島の異変を確信した地球物理学者田所は、2年以内に日本列島が海面下に沈没する可能性を指摘。これを受け、政府が打ち出したのが日本人を海外に避難させる「D計画」だった。次々と日本人が外国へ避難していくなか、沈みゆく日本列島に残る決意をする人も……。全国民必読。二十一世紀にも読み継がれる400万部を記録したベストセラー小説。


2.三浦綾子著「泥流地帯」大正15年5月、十勝岳大噴火。突然の火山爆発で、家も学校も恋も夢も泥流が一気に押し流してゆく。真面目に生きても無意味なのか? 懸命に生きる彼らの姿を通して、人生の試練の意味を問いかける感動の長編。


3.石黒曜著「死都日本」地球誕生以降、幾たびも繰り返されてきた“破局噴火”が日本に襲いかかる。噴火は霧島火山帯で始まり、南九州は壊滅、さらに噴煙は国境を越え北半球を覆う。日本は死の都となってしまうのか?


4.桐野夏生著「バラカ」東日本大震災にともなう福島の原発事故により、日本の首都を大阪に移転せざるを得ないほど大打撃を受けてしまった世界を舞台に、放射能警戒区域で保護された一人の少女「バラカ」の数奇な運命を追った長編小説。


5.高任和夫著「燃える氷」長期にわたって低迷を続ける日本経済を劇的に救う次世代エネルギーに、政府や産業界が寄せる期待は大だった。だが一方で、採掘が地球環境に及ぼす致命的な悪影響も懸念されていた…。そしてついに商業化強行が決定した矢先、駿河湾を震源とするマグニチュード7.2の地震が発生。夢の新エネルギーは破滅への道なのか?日本のエネルギー政策に警告を発するサスペンス巨編。


6.高嶋哲夫著「首都感染」中国で致死率60%の強毒性新型インフルエンザが出現。恐怖のウイルスが世界に、そして日本へと向かった。パンデミック阻止のため、空港での検疫が徹底されたが、ついに都内にも患者が発生。総理は東京封鎖作戦を決断する。


7.伊東瑞彦著「赤いオーロラの街で」東京で仕事に倦んだプログラマー香山秀行は、テレワークの体験で北海道・知床の斜里町を訪れる。その夜、空一面に赤いオーロラが発生。街中が停電に見舞われた。それは超巨大な太陽フレアによるもので、全世界の通信・交通網もすべてストップ。自分に何ができるのか。世界停電という現実に起こりうる危機をめぐる、人と社会の物語。


8.上田早夕里著「華竜の宮」世界の大半が水没し、人口が激減した25世紀、残された人類は、わずかな陸地(及び海上都市)にしがみつく陸上民と、遺伝子改変で海に適応した海上民に分かれている。主人公は、群島と化した日本の外洋公館に勤務する外交官。陸上民と海上民の対立を解消すべく、海上民のオサとの会談に臨む。だが、地球は人類にさらなる試練を与えようとしていた。絶望的な状況下でも最善を求めて努力をつづける人々のドラマが胸を打つ。


9.重松清著「また次の春へ」小学3年生、母を亡くした夜に父がつくってく れた"わが家" のトン汁を、避難所の炊き出しでつくった僕。未曽有の被害 をもたらした大震災を巡り、それぞれの位置から、再生への光と家族を描いた短篇集。


10.リチャード・プレストン著「ホット・ゾーン」1970年代に中央アフリカで発見されたエボラウイルスによる感染症「エボラ出血熱」。その一部始終を克明に記録し、世界中でベストセラーとなった。





U. 第163回芥川龍之介賞、直木三十五賞の選考会が7月15日に行われ、芥川賞に高山羽根子さん「首里の馬」、遠野遥さん「破局」、直木賞に馳星周さん「少年と犬」が選ばれました!図書はいずれも着手中です。どうぞお楽しみにして下さい。
芥川賞 高山羽根子著「首里の馬」沖縄の古びた郷土資料館に眠る数多の記録。遠く隔った場所にいる友とのオンライン通話。台風の夜にあらわれた幻の宮古馬。世界が変貌し続ける今、しずかな祈りが切実に胸にせまる感動作。



遠野遥著「破局」欲望を捨て、感情のゾンビになれ。母校のラグビー指導、公務員試験、そして新たな恋。順調な私を阻むものは、私自身に他ならない。


直木賞 馳星周著「少年と犬」2011年秋、仙台。震災で職を失った和正は、認知症の母とその母を介護する姉の生活を支えようと、犯罪まがいの仕事をしていた。ある日和正は、コンビニで、ガリガリに痩せた野良犬を拾う。多聞という名らしいその犬は賢く、和正はすぐに魅了された。
 

 


 

 

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