センター通信

ちょこっとひとこと

今回は、本屋大賞ノミネート作品を紹介したいと思います。「本屋大賞」は、新刊書の書店(オンライン書店も含みます)で働く書店員の投票で決定するものです。過去一年の間、書店員自身が自分で読んで「面白かった」、「お客様にも薦めたい」、「自分の店で売りたい」と思った本を選び投票します。 上位10作品が「2022年本屋大賞」ノミネート作品として決まりました。以下にお知らせします。大賞発表は4月6日の予定です。どの作品が大賞になるか予想してみてはいかがでしょうか?

書名・著者名・内容の順にご紹介します。

1.赤と青とエスキース 青山美智子著

メルボルンの若手画家が描いた一枚の「エスキース(絵画)」。日本へ渡って30数年、その絵画は「ふたり」の間に奇跡を紡いでいき…。仕掛けに満ちた書き下ろし連作短篇集。

2.硝子の塔の殺人 知念実希人著

雪深き森で、燦然と輝く硝子の塔。ミステリを愛する大富豪の呼びかけで、一癖も二癖もあるゲストたちが招かれた。この館で次々と惨劇が起こる。謎を追うのは名探偵と医師-。『アップルブックス』連載を加筆、修正。

3.黒牢城 米澤穂信著

織田信長に叛旗を翻して有岡城に立て籠もった荒木村重は難事件に翻弄される。村重は、土牢の囚人にして織田方の軍師・黒田官兵衛に謎を解くよう求めた。事件の裏には何が潜むのか-。『カドブンノベル』他掲載に加筆修正。

4.残月記 小田雅久仁著

近未来の日本、人々を震撼させている感染症「月昂」に冒された若者。カリスマ暴君の歪んだ願望に運命を翻弄されながら、愛する女のために抗い続け…。表題作はじめ全3編を収録。『小説推理』掲載を書籍化。

5.スモールワールズ 一穂ミチ著

夫婦円満を装う主婦と、家庭に恵まれない少年。初孫の誕生に喜ぶ祖母と娘家族。向き合うことができなかった父と子…。誰かの悲しみに寄り添いながら、愛おしい喜怒哀楽を描く連作集。『小説現代』掲載を単行本化。

6.正欲 朝井リョウ著

生き延びるために、手を組みませんか-。いびつで孤独な魂が奇跡のように巡り遭い…。共感を呼ぶ傑作か? 目を背けたくなる問題作か? 朝井リョウの作家生活10周年を記念した書下ろし長篇小説。

7.同志少女よ、敵を撃て 逢坂冬馬著

ドイツとソ連との戦争が激化する1942年、母をドイツ軍に惨殺された少女は、復讐のため、狙撃兵になることを決意する。第11回(2021年)アガサ・クリスティー賞大賞受賞。

8.星を掬う 町田そのこ著

元夫から逃げ、自分を捨てた母と再会した主人公は、母と、母を慕う美容師、娘に捨てられた女性と共同生活を始める。すれ違う母と娘の物語。

9.夜が明ける 西加奈子著

テレビ制作会社で働く男と、劇団に所属する男。互いにかけがえのない存在となった男同士の、思春期から33歳までの友情と成長を描く、再生と救済の物語。

10.六人の嘘つきな大学生 浅倉秋成著

成長著しいIT企業の最終選考。最後に残った6人に出された課題は、「1人の内定者を6人で決めること」。そんな中、6人それぞれの「罪」が告発された6通の封筒が発見される。彼らの嘘と罪とは。そして「犯人」の目的は…。