センター通信
ちょこっとひとこと
今回は、本屋大賞ノミネート作品を紹介したいと思います。「本屋大賞」は、新刊書の書店(オンライン書店も含みます)で働く書店員の投票で決定するものです。
過去一年の間、書店員自身が自分で読んで「面白かった」、「お客様にも薦めたい」、「自分の店で売りたい」と思った本を選び投票します。 投票の結果上位10作品が「2023年本屋大賞」ノミネート作品として決まりました。以下にお知らせします。大賞発表は4月12日の予定です。
どの作品が大賞になるか予想してみてはいかがでしょうか?
書名・著者名・内容の順にご紹介します。
1.川のほとりに立つ者は 寺地はるな著
カフェの若き店長・原田清瀬は、ある日、恋人の松木が怪我をして意識が戻らないと病院から連絡を受ける。松木の部屋を訪れた清瀬は、彼が隠していたノートを見つけたことで、 恋人が自分に隠していた秘密を少しずつ知ることに――。「当たり前」に埋もれた声を丁寧に紡ぎ、他者と交わる痛みとその先の希望を描いた物語。
2.君のクイズ 小川哲著
クイズ番組の決勝戦に出場した男性は、対戦相手の不可解な正答を訝しみ、不正工作を疑う。彼はなぜ問題が読まれぬうちにボタンを押し正答できたのか?
男性は真相解明のため、決勝を1問ずつ振り返ってゆくのだが…。唯一無二のクイズ小説。
3.宙ごはん 町田そのこ著
育ての母と産みの母。ふたりの母親に育てられた宙は、産みの母親と暮らすことになるが…。
ごはんを作って食べることを通して成長していく姿を描く。
4.月の立つ林で 青山美智子著
長年勤めた病院を辞めた元看護師、売れないながらも夢を諦めきれない芸人、娘や妻との関係の変化に寂しさを抱える二輪自動車整備士、親から離れて早く自立したいと願う女子高生、
仕事が順調になるにつれ家族とのバランスに悩むアクセサリー作家。
つまずいてばかりの日常の中、それぞれが耳にしたのはタケトリ・オキナという男性のポッドキャスト『ツキない話』だった。
5.汝、星のごとく 凪良ゆう著
風光明媚な瀬戸内の島に育った高校生の暁海と、自由奔放な母の恋愛に振り回され島に転校してきた櫂。ともに心に孤独と欠落を抱えた二人は、惹かれ合い、すれ違い、そして成長していく。
6.方舟 夕木春央著
大学時代の友達と従兄と一緒に山奥の地下建築を訪れた柊一は、偶然出会った三人家族とともに地下建築の中で夜を越すことになった。翌日の明け方、地震が発生し、扉が岩でふさがれた。さらに地盤に異変が起き、水が流入しはじめた。いずれ地下建築は水没する。
そんな矢先に殺人が起こった。だれか一人を犠牲にすれば脱出できる。生贄には、その犯人がなるべきだ。――犯人以外の全員が、そう思った。タイムリミットまでおよそ1週間。それまでに、僕らは殺人犯を見つけなければならない。9人のうち、死んでもいいのは、――死ぬべきなのは誰か?
7.#真相をお話しします 結城真一郎著
家庭教師の仲介営業マンをする大学生、マッチングアプリに勤しむ中年男、精子提供を始めた夫婦…。でも、何かがおかしい。
緻密で大胆な構成と容赦ない「どんでん返し」の新感覚ミステリ短篇集。
8.爆弾 呉勝浩著
都民1400万人を人質にとる無差別爆破テロ。爆弾の在り処の手がかりは、容疑者と思しき中年男が出す“クイズ”のみ。狭小な取調室の中で、 正体不明の容疑者と警察の戦いが始まる。
9.光のとこにいてね 一穂ミチ著
古びた団地の片隅で出会った結珠と果遠。ふたりは何もかもが違った。着るものも食べる物も住む世界も-。ひとつの愛に惑うふたりの四半世紀の物語。。
10.ラブカは静かに弓を持つ 安壇美緒著
少年時代のある事件から心を閉ざしてきた橘は、音楽教室への潜入調査を命じられる。目的は著作権法の演奏権を侵害している証拠を掴むこと。
美しき孤独なスパイが最後に手にするのは…。『小説すばる』連載を加筆し単行本化。