センター通信

ごあいさつ

飛び立つ


佐賀県立 視覚障害者情報・交流センター
センター長 田中 真理

 

 

 「あい さが」利用者及びボランティア、ならびに「あい さが」を支えていただいております皆さまには、ますますご健勝のこととお慶び申し上げます。

朝晩はまだ肌寒いと感じる時もありますが、日中の日差しは夏の訪れを感じる…というか、完全に夏そのものの暑さになってまいりました。

暑がりにはつらい季節になりますが、同時にドライブや遠出が気持ちのいい季節でもあります。

3月に所用で東京へ行きました。コロナ禍以前の2019年以来、3年ぶりの上京、3年ぶりの飛行機です。3年の間に佐賀空港もリニューアルしていて、駐車場の出入り口や搭乗ゲート、保安検査場の位置が変更されていました。小さい空港なので、迷うということはありませんが。

いや、嘘です。すみません。保安検査場を探してちょっとウロウロしました。

さてさて、3年ぶりの飛行機。まずチケット予約の手続きから違います。なんと2023年3月末で全日空のスキップサービスが終了するとのこと。なんてこった……! 

飛行機に乗る際、搭乗前に「チェックイン」という搭乗手続きが必要です。特に大きな空港では利用者も多く、列に並んで順番待ちをしなくてはいけないため、かかる時間を予測、逆算して空港に行かなくてはなりません。搭乗時刻、その前の保安検査場の通過時刻に間に合うように手続きを終わらせないと、最悪飛行機に乗れなくなったりします。

この搭乗手続きを省略し、空港到着後にまっすぐ保安検査場に行けるようにしたのがスキップサービスです。事前のチケット発券、座席指定など条件はありますが、チェックインカウンターでの手続きが省略されるスキップサービスのおかげで、当日は保安検査場の時間だけに気を付けて空港に行けば良かったのです。ずぼらで無計画な私には大変ありがたいサービスでした。それが終了……。

いや、3月の時点ではまだ終了していないのですが、この先の飛行機の利用に大きく影響します。どういうことなのか、説明を読まねば。

サイトの説明文を私なりに解釈したところによると、今後はスマートフォンで予約・チェックイン・搭乗手続きなどをまとめて行うことができる、とのこと。スマホアプリからオンラインで予約し、チェックインも座席指定も済ませ、当日はカウンターに寄らず、保安検査場や搭乗口ではスマホに表示されるデジタルチケットをかざす……なるほど。機内誌もスマホから読むスタイルで、動画サービスも利用可能。ふむ。

うーん、機内では寝ていることがほとんどだし、検査場、搭乗口、機内と何かあるたびにスマホを出すのはどちらかというと、面倒……いやいや。

ペーパーレスやら非接触やら、時代の流れに沿ったサービスということなのでしょう。習うより慣れろの精神でとりあえずやってみます。ちなみに、スマホアプリが使えない方や支援が必要な方には、これまで通りカウンターサービス等もあるそうです。

スマホアプリ、いざ使ってみるとなかなか便利でした。

よく考えれば、保安検査場の待機列でも、搭乗口でもギリギリまでスマホを見ているので、取り出す手間というのはありません。むしろ、チケットを探す手間がなくなりました。また、明日搭乗予定、今日搭乗予定、搭乗予定時刻などの通知が来るようになりました。人によっては鬱陶しいと感じるかもしれませんが、ぼーっとしている私のような人間にはありがたいお知らせです。

さて、搭乗ゲートでスマホをかざし、いざ機内。入ってすぐの場所でCAさんが勧めてくれたのは、飴ではなくイヤホンでした。コロナ禍で飴のサービスは終了してしまったようです。イヤホンも、必要な人だけということなのでしょう。デジタル化により、機内誌もありません。おお、経費節減がこんなところにまで。

ネガティブなことばかり書いては申し訳ないですね。素晴らしい変更もありました。佐賀空港の使用機はジャンボジェットより少し小さい機体で、アナウンス映像などを映すモニターは4人で一つの画面を見る、くらいの間隔で配置されていました。その前方モニターが全席に装備されています。一人一人、自分の見たい映像コンテンツを正面で見ることができるのです。これはありがたい。突然機内アナウンスが入るのが玉に瑕で……失礼、ちょっと驚きますが。

3年ぶりの飛行機に無意識に緊張していたのか、早朝にもかかわらずほとんど眠気はやってきませんでした。もしかしたら、久しぶりの東京に気が高ぶっていたのかもしれません。

ここまで書いたのに、まだ東京へたどり着きません。飛行機に乗るだけのことを書くのに、えらく文字数を使ってしまいました。おかしいな……。

銀座の木村屋に行ったとか、カバンが破れたとか、とんでもなく美味しいカレー屋さんに出会ったとか、色々あるのですが、そのあたりはまた次の機会になりそうです。

これから増えるであろう旅の思い出を、皆様もぜひお聞かせください。