センター通信

センター長あいさつ

知力は体力


佐賀県立 視覚障害者情報・交流センター
センター長 田中 真理

 

 

 「あい さが」利用者及びボランティア、ならびに「あい さが」を支えていただいております皆さまには、ますますご健勝のこととお慶び申し上げます。

 去る11月10日、第3回あいさがあすなろフェスタを開催しました。当日は生憎の天気となりましたが、皆様のご協力とご支援のもと、なんとか無事に一日を終えることができました。ご協力いただいたすべての方々に感謝申し上げます。

 これからも皆様のご意見等を参考に、楽しんでいただけるイベントになるよう努力して参りますので、来年以降もどうぞよろしくお願いいたします。

 今年の9月に、北九州市立いのちのたび博物館に行ってきました。存在を知ってから、ずっと行ってみたいと思っていた施設の一つです。正式名称は北九州市立自然史・歴史博物館で、2002年に開館。JR鹿児島本線のスペースワールド駅から、徒歩5分のところにあります。昨年開館20周年を迎え、リニューアルしたことで、一時話題にもなりました。

 この施設のハイライトは何といっても、常設展に入ってすぐのアースモールと呼ばれるエリアです。壁の両側に部屋があり、階段状の吹き抜けになっているここでは、古生代、中生代、新生代の様々な生物の骨格標本を見ることができます。特に、入り口に向かって頭をもたげる恐竜たちの迫力はすごいです。パンフレット等の写真にもなっているので、見たことがある方もいるかもしれません。ほとんどはレプリカですが、展示方法も相まってとてつもないインパクトでした。いやー、これはテンション上がります。

 というかこの博物館、広いですね。特別展の爬虫類両生類展も回ったとはいえ、3時間程度で終わってあわよくば隣のアウトレット行こうかななどと思っておりましたが、4時間かかってまだ終わらず。最後はいくつかショートカットし、アウトレットは諦めてようやく電車に間に合いました。アースモールの骨格標本だけでもじっくり見ればそれなりの時間になる上、壁沿いの展示室でも魚類、人類、地学、鉱物、甲虫、植物などがテーマ別に展示してあります。さらにはエンバイラマ館と呼ばれるエリアでは白亜紀の北九州の一日をテーマにした映像展示(北九州では恐竜の化石が発掘されており、きっとこんな恐竜たちが生活していたかも、という内容です)、その先には北九州の考古学の歴史が出土品や調査研究の内容と共にみっちり解説展示されたリサーチゾーンなるエリアがあります。ここまでで確実に2時間経ちました。

 ちょっと休憩させてくれ……! 情報量が多すぎて、頭も足もヘロヘロです。水分も取りたいですが、展示室内はもちろん飲食禁止。水を飲むには3階の自販機コーナーへ行くしかありませんが、まだ1階と2階の展示が残っています。いったん座って、こっそり水筒のお茶を飲もう(真似しないでください)。

 1階からつながっている2階では、生命の多様性館と題し菌類・植物・サンゴ・無脊椎動物・魚類・両生類・哺乳類などの標本や剥製が所狭しと展示してあります。上がって3階では、鳥類や空を飛ぶ昆虫の標本展示。天井にも色んなものが吊るしてあるので、上を見たり下を見たり大変です。ここでようやく自販機で一休み。夏は気をつけないと、ぶっ倒れそうですね。

 ここからは、北九州という地域に焦点を当てた展示です。自然発見館では現在の北九州の自然、生き物や植物、地質や自然現象の展示解説などがあります。カブトガニ生息地の曽根干潟や日本三大カルストの平尾台など、特色ある自然環境を解説するジオラマ、剥製、標本、写真資料と盛りだくさん。

もうだいぶ色々見て回りましたが、まだ先があります。ここは自然史・歴史博物館。この先は北九州の歴史に関する展示エリアが始まります。まずは旧石器時代の遺物から。そうか、北部九州にはそんなに前から人が暮らしていた痕跡があるんですね。知ってたけど! 知ってたけれども! 旧石器時代の遺跡もあるし稲作の歴史もここからだし銅鐸もあるしもちろん弥生土器から古墳にも特徴が……って古代の時点ですでに多い! ここに足を踏み入れてもう3時間以上経ったのに、まだあと千年分見る必要があります。廊下にもミニ展示が延々と。とても市立の施設とは思えない展示の質と内容です。明治や昭和にたどり着くのは一体いつになるのか。薄々感じてはいましたが、一日で回れる規模ではないですねここ。

中庭には市内から移築された古民家があり、その近くの歴史ぽけっとミュージアムという部屋では企画展もあったのですが、流石に疲れたのと滞在時間4時間を超えて電車の時間が迫ってきたので、このあたりはスルー。そうしょっちゅう来られる場所ではないので、できれば余すところなく見ておきたかったのですが……あ、ミュージアムショップにも寄れなかったなそういえば。アウトレットにも行ってみたいので、その時にでももう一度寄ってみようと思います。これだけ充実した施設、一回しか行かないのはもったいないですからね! さっきの言葉は忘れてください。

気付けば今年も残り一ヶ月を切りました。夏が長引き、寒さにはまだ慣れていない状況で年末の実感も乏しいですが、思い返せば貴重な経験を多くさせていただいた年であったと思います。

来年も、あいさがをどうぞよろしくお願いいたします。