センター通信

相談窓口だより


 ーサロンの報告ー
 7月・8月に実施しましたサロンのご報告をいたします。
 7月のサロンは、6名の方にご参加いただきました、「巡回聞こえの個別相談&簡単な手話にチャレンジ」でした。前半の「簡単な手話にチャレンジ」では、手話サークルむつごろうに所属されている松本昌代先生を講師にお迎えして、手話と指文字を学びました。参加者は手話をするのは初めてと言う方がほとんどでしたが、一つ一つの手話の動きを言葉で説明していただき、取り組みました。数字の手話、挨拶の手話や、自分の名前を表す手話などを学び、最後に「花は咲く」の手話ソングにチャレンジしました。一つ一つの手話の動きには意味があること、聞こえない・聞こえにくい人たちのコミュニケーション手段には手話のほかに筆談などいろいろな方法があることなどを学びました。感想では、「楽しかった。手話は花を覚えた」「前からずっとやってみたかったので挑戦できてよかった。」などの感想がありました。後半の聞こえの個別相談では聴覚障害者サポートセンターの村岡先生、古川先生をお迎えし、個別での聴力測定をしていただきました。毎年こういう機会をもって検査を続けていくことは大切だよねと話してくださいました。
 つぎに、8月サロン「私の好きな1冊 ―友の会ボランティアさんとの交流―」を実施しました。利用者さん12名、家族・ヘルパーさん1名、ボランティアさん6名にご参加いただきました。昨年ご好評をいただき、今年もぜひ参加したい!とおっしゃってくださった方も多く、「一人1冊」とお伝えしたにもかかわらずたくさん紹介したい!と準備をして臨んでくださった方もいらっしゃいました。利用者さんもヘルパーさんもみなさんが自分の大好きな本を紹介され、今まで読んだことのないような本でも魅力的に感じ、「ぜひ読みたい!」とみなさんが読書の幅を増やしていただけたのではないかと思います。

 以下、紹介された本と紹介者の感想です。
・横瀬豊彦 「対馬馬の馬鹿」馬と少年の心の交流。主人公が大好き!分厚い本。
・池波正太郎 「男の作法」、ダニエル・デフォー「ロビンソンクルーソー」池波さんのエッセイが大好き!
・平野啓一郎 「私とは何か」「マチネの終わりに」本に涙を流したのは初めて。今では平野啓一郎さんの推し活に忙しいです!
・レイチェルグラント 「危ない夜に抱かれて」
・吉田修一 「国宝」映画も鑑賞。主人公二人がどのくらいイケメンなのか気になる。
・川副義敦「佐賀県 謎解き散歩」短編を集めて佐賀県のハテナを紹介。
・あさのあつこ 「さいとう高校野球部」ピッチャーが主人公。甲子園目指す。
・「小公女」「小公子」「アルプスの少女ハイジ」小学校担任が給食時間に読んでくれた!
・佐伯泰英 「交代寄合伊那衆異聞」文庫シリーズ。粋でかっこいい。
・インディアンのティーチングストーリー 「こころにすむおおかみ」感動した絵本。その場で読み聞かせをしてくださいました。
・島田洋七 「佐賀のがばいばあちゃん」昔話題になった作品。佐賀のことがたくさん出てきて面白い。
・辻村深月 「朝が来る」母親が子供を信じる態度、子供がくれる幸せ。
・角田光代 「八日目の蝉」同じような母親が主人公の作品。
・月刊誌「ランナーズ」あまり本は読まないが、これは読めるときには読んでいる。
・菊池和子 「体が変わるきくち体操」きくち体操という誰もができる体操の本。
・大沢在昌 「新宿鮫シリーズ」歌舞伎町の裏社会のハードボイルド。暴力団、海外マフィアが出てきてハラハラドキドキ。
・久保奈穂実 「1日ひとつ疲れが消えるおいしい漢方365」
・ハンス・ロスリング 「ファクトフルネス」
・新田次郎の山岳小説
・吉村昭 「戦艦武蔵」
・西日本新聞社 「九州オルレ」
・柳田國男 「日本昔話」短いけれど楽しい。カセットあり。
・森昌子「明日へ」
・木本美紀「蒼い空へ 夫西城秀樹との18年」
・平野啓一郎 「決壊」主人公の自死で終わる。著者曰く、ハッピーエンドで終わる必要はない。
・高田郁 「駅の名は夜明」
・池井戸潤 「俺たちの箱根駅伝」
・遠藤周作 「沈黙」
・阿部暁子 「カフネ」
・宮島未奈 「成瀬は天下を取りに行く」

ー今後のサロンについてー
 10月のサロンは、「おしゃべりホッと茶ロン」です。10月18日(土)10時~12時、皆さんと一緒に楽しくワイワイ過ごしてみませんか。申込締め切りは10月15日(水)の予定です。

ーいろんなイベントのご報告ー
1.夏休み あいさがオープンブレイルライブラリー
8月3日(日)夏休みオープンブレイルライブラリーを開催しました。
このイベントは、毎年開催しているあすなろフェスタで実施している点字名刺づくりや音訳体験などをもっと地域の方に経験してほしい!という思いから企画しました。初めての取り組みで、人が集まってくれるかとてもドキドキしましたが、今回、佐賀県内の小中学生たち総勢38名にご参加いただきました!イベントでは、はじめに佐賀県立視覚障害者情報・交流センターについての説明をし、ちょっとしたクイズに挑戦!当たった、はずれたとみんな盛り上がっていました。そのあと、視覚障害のある職員から音声パソコンを動かすデモンストレーションがあり、入力した文字を漢字までしっかり変換して読み上げてくれるパソコンにみんな驚きの声を上げていました。そして、それぞれの班ごとに点字の絵本作りと録音体験を行いました。みんな時間が足りないと言いながらも、めいいっぱい時間を使って製作をしてくれました。素敵な点字絵本と録音CDができあがっていました。もちろんできたものはそれぞれにプレゼントとしてお持ち帰りいただきました!アンケートにも「もっともっと時間が欲しかった」と話してくれたり、「点字器はどこで買えますか?」とたずねて点字用紙を買って行ってくれたり。「家に帰ってからも点字一覧表で点字を見つけています」などと教えてくれたりと、とてもうれしい言葉をたくさんいただきました。なかでも、鹿島市からご参加いただいた小学5年生の井手美和子さんは、夏休みの課題で、オープンブレイルライブラリーに参加したことをまとめて自由研究として提出されたそうで、嬉野・鹿島・藤津地区の特選をとられたとのご報告をいただきました。展示されていた作品を見せていただきましたが、体験したことをきれいな字でまとめられており、自分で作った点字絵本も貼り付けてありました。素晴らしい作品で、とてもうれしく思いました。イベントではあいさが音訳点訳ボランティアの皆さん方にもご参加いただき、点字絵本作りと録音体験では子供たちをしっかりとサポートしていただきました。おかげでとてもとても楽しい一日を過ごすことができました。また来年も実施してほしい!との声をすでにたくさんいただいております。また企画してみたいと思いました。

2.佐賀県立図書館夏休みイベント 図書館で「見えにくい世界」を体験してみよう
8月10日、佐賀県立図書館みんなの森で開催されたイベントにあいさがも参加させていただきました。イベントでは見えにくさを体験するワークショップの講師を担当させていただきました。3つのコースに分かれて、参加した小学生の皆さんと一緒に、「色の組み合わせ方」「ユニバーサルデザインの工夫」「言葉の大切さ」について体験しながら考えました。みんなの森は、いろいろな方に読書のバリアをなくすための取り組みを実施されています。どんな方でも使いやすくなるような工夫をたくさんしてありますので、ゆっくりと本を探してみたいという方はご利用されてみてはいかがですか?

3.あいサポネット研修会
9月14日(日)に佐賀市立図書館多目的ホールで、あいサポネット研修会『知って活かそう!カラーユニバーサルデザイン ロービジョンケアで実現するよりよい見え方』を開催しました。当日早朝には線状降水帯が発生しており、開催が危ぶまれましたが、朝には雨もやみ、予定通り実施することができました。講師には、高知県在住で歩行訓練士と視能訓練士という視覚障害支援のプロフェッショナルな資格をお持ちの別府あかね先生をお迎えしました。当日は約100名もの方にご参加いただき、「身近な実例が多くて理解しやすかった」「カラーユニバーサルデザインについて意識することの大切さを実感しました」などの感想が寄せられました。あいさがの点字ブロックや階段などももっと工夫すると見やすくなることを教えていただきました。改善できることはやっていきたいと思います。今回の研修は、佐賀県版スマートサイトの一環である 「あいサポネット研修会」 として実施しました。今後も、誰もが暮らしやすい社会をめざして支援者間で協力できる体制づくりを考えていきたいと思います。ご参加くださった皆さま、そしてご協力いただいた関係者の皆さまに心より感謝いたします。

ーあすなろフェスタについてー
 今年もあすなろフェスタ開催いたします。4回目となる今年のテーマは「防災チャレンジDAY つなごう!“おもやい”で地域の絆」としました。毎年いろいろな地域で様々な災害が起こっており、みなさんも一人一人がさまざまな備えをしておく必要があると思います。でも、実際にはどんな備えが必要か、避難指示と言われるけど実際はどんな状態?とわかってるけどわからない・・ということは多いような気がします。今回、そんな悩みをみんなで共有しよう!といつも防災のサロンを担当いただいている防災士の柴田先生の全面協力のもと、あすなろフェスタ全体で様々な防災体験をしていただこうと準備を進めています。
日時:令和7年11月16日(日)10時~15時
場所:あいさがセンター内及びセンター前駐車場
詳細はまた追ってお知らせしますが、一部ご紹介いたします。

1.知って安心!防災クイズセミナー
もしもの時にそなえよう!防災の知識をクイズ形式で学べます。備蓄や避難場所などについて楽しく学びましょう
2.大声コンテスト
いざというとき、あなたはどのくらい大きな声がだせますか!?大きな声ってどのくらい?あいさがで、あなたの声の大きさが何デシベルくらいなのか、計測してみましょう!
3.体験コーナ
非常食を実際に作ってみたり、防災トイレのデモンストレーションをしたり、避難所テントに実際に入ってみたり。なるほどを共有しましょう。
ほかにもいろいろな防災に関する企画を準備中です。また、毎年ご協力いただいているメガネのヨネザワさんや、スマートスピーカーの株式会社シグマさん、おまつり出店や商品販売ブースも予定しています。あいさが利用者さんによる手作りグッズの販売もご協力のお願いをしております。
涼しくなってくる時期です。みなさん、ぜひ秋のお出かけにお越しください!