センター通信

ちょこっとひとこと

「あい さが」の利用者様から、「学園ものの小説を読みたい」というリクエストを以前ご来所の折にいただきました。そのリクエストをしてくださった利用者さまは、いわゆるZ世代に生まれた利用者様です。2021年頃からインターネットやテレビ、雑誌などで急激に見かけたり、聞いたりする機会が増えたこの「Z世代」という言葉。色々気になりだすと調べたくなる性分ですので、インターネットで調べてみますと、書かれている年代に数年単位の差はあるものの、概ね1996年~2015年位に生まれた世代の方々を指す言葉のようでした。

このZ世代に生まれた方に広く読まれそうな人気のある本、評判のいい学園小説・学校小説を探すべく、御本人のお話を拝聴しながら思案していたその瞬間、とてもいい意味で意表をつかれました。

今ちょうど読書中の本が『3年B組金八先生』のシリーズです、ということだったのです。

1979年(昭和54年)からTBSでドラマの放送がスタートし、2011年(平成23年)3月27日をもって物語の幕を閉じた学園ドラマ『3年B組金八先生』。

Z世代の方でも、あの金八先生を知っているんだ、いやご本人は金八先生をご存知なかったのかもしれないけれど、でも金八先生を読まれるの!?と大変驚きました。古き良き作品は世代を超えて若い世代の方々にも愛されるのだなと感じたところでした。前置きがずいぶん長くなりました。私たちに「青春時代」や「懐かしいあの頃」を思い起こさせてくれるような学校小説10タイトルをご紹介いたします。金八先生の本も含めて、点字図書、デイジー図書両方ともサピエに所蔵があります。貸出ご希望の方は「あい さが」までご連絡ください。

1.青い鳥 重松 清著  

先生はうまく話せない。だからたいせつなことしか言わない。いじめ、自殺、虐待。吃音の教師を通して答えのない問題に向き合い、伝えたい思いを描く感動作。

2.兎の眼 灰谷 健次郎著

新卒の教師・小谷芙美先生が受け持ったのは、学校で一言も口をきかない一年生の鉄三。心を開かない鉄三に打ちのめされる小谷先生だが、周囲とのふれ合いの中で次第に彼の豊かな可能性に気付いていく。

3.図書館の神様 瀬尾 まいこ著          

アクシデントで夢をあきらめ、傷ついた心を抱え、国語教師としてある高校に赴任したヒロイン清。彼女が学校の図書館で出会ったひとりの男の子、垣内君。どこからでも海の見える明るい高校で、瑞々しい物語が始まる…。

4. 空をつかむまで 関口 尚著

膝の故障で得意のサッカーを諦めた優太は、廃校が決まった田舎の中学に通う3年生。無理やり入部させられた水泳部には、姫と呼ばれる県の記録保持者と、泳げないデブのモー次郎しかいない。3人は、なくなってしまう美里中学の名前を残すため、大切な人のため、優勝すべくトライアスロン大会に挑む。市町村合併を背景にまばゆい青春の葛藤と疾走を描いた少年少女小説。第22回坪田譲治文学賞受賞作。

5.くちびるに歌を 中田 永一著 

中学合唱部顧問の松山先生は産休に入るため、元神童の美しすぎる臨時教員・柏木に期限付きで指導を依頼。すると、柏木目当て男子が多数入部する。ほどなくして、練習に打ち込まない男子部員と女子部員の対立が激化して…。

 6. 一瞬の風になれシリーズ  佐藤 多佳子著

とくに強豪でもない春野台高校陸上部に入部した幼なじみの2人。それがすべての始まりだった。思わず胸が熱くなる、とびきりの陸上青春小説。

7. きみの友だち 重松 清著

友だち? 他人だよ、そんなの。でも特別な他人、大切な他人。嬉しいこと、つらいことがいっぱいあったから友だちの意味がわかった。痛みや喪失を乗りこえ、少女たち、少年たちはやがて…。

8. 4TEEN 石田 衣良著

長屋と超高層マンションが共存する町で、僕たちは恋をし、傷つき、慰め合い、大人になっていく。14歳の中学生4人組が出会った8つの瑞々しい物語。第129回直木賞受賞。

9. 医学生 南木 佳士著

新設間もない秋田大学医学部に、挫折と不安を抱えながら集まった医学生たち、和丸、京子、雄二、修三の四人は、解剖に外来実習に、失恋に妊娠に患者の死に悩み、あたふたしながらも、自分の生き方を探っていく。 そして、彼らの十五年後。 自らの体験を振りかえりつつ、人生の実感を軽やかに爽やかに綴る永遠の青春小説。

10. キケン 有川 浩著

既にサークルの域は出た。活動内容もそうだが、集う人間の危険度がだ。ヤバイ奴らが巻き起こす熱血青春ドタバタ劇。理系男子って皆こんなに危ないの?