作家の紹介


1.鈴木るりか

鈴木るりかは、小学館主催の「12歳の文学賞」大賞を小学4・56年と3年連続で受賞した現在中学3年生です。デビュー作は、中学2年の時の「さよなら、田中さん」です。小説の主人公・田中花実は小学6年生。ビンボーな母子家庭だけれど、底抜けに明るいお母さんと、毎日大笑い、大食らいで過ごしている。この、花実とお母さんを中心とした日常の大事件を、時に可笑しく、時にはホロッと泣かせる筆致で描ききった作品です。この本は、点字・デイジー・テキストデイジーでご利用できます。

そして、第2作目として「14歳、明日の時間割」が刊行されました。今回の舞台は、中学校。時間割に見立てた7編の短編で、鮮やかに現代の中学生の苦悩、笑い、絆、友情、想いを生き生きと描写。現代中学生の目を通して「生きる」ということについて大いに考えさせられる。笑って笑って、ホロッと泣かせる、胸に迫る青春群像小説です。佐賀の点字図書館でデイジーを製作中です。どうぞお楽しみに。

 

2.井上荒野

  井上荒野(57)は昨年、「その話は今日はやめておきましょう」で織田作之助賞を受賞しました。デビューから30年、「切羽へ」での直木賞から11年。脂がのってきた。受賞作は、退職後に静かに暮らす老夫婦の心の明滅ぶりを描いており、悪事をたくらむ青年が現れてからの二人の日常は、読者の心を揺さぶったりなだめたりする。筋の運びについて、「サスペンシブな展開に妙があった」と称賛されました。

実父は「戦後派」の旗手、井上光晴。瀬戸内寂聴さんとの恋仲は有名な話。荒野さんの直木賞受賞式では、荒野さんの母と寂聴さんが親族席に座った。「父のために生きた母と、父を本当に好きだった寂聴さん」、この気持ちを小説に託そうと思い「あちらにいる鬼」を刊行しました。他に、「そこへ行くな」(中央公論文芸賞)、「赤へ」(柴田錬三郎賞)。「あちらにいる鬼」は着手中ですが、それ以外は点字・デイジーでご利用できます。

 


 

 

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